博士安井の生物記 第4弾 ホソウミニナ !

2017年10月19日(木)

博士安井の生物記!第4弾! ホソウミニナ です。

兵庫運河の ホソウミニナ について、説明します。

昔の人は巻貝のことを、「なに」 とか 「にいな」 と呼んだそうです。***************** 古事記、日本書紀、万葉集の時代に、既にこの言葉が出てくるとのこと!!*************ちなみに漢字では、「蜷」 と書いて 「にいな」と読むそうです。*******************尚、今でも、皆さんがよくご存知のように、カワニナ(川にいる巻貝)、ウミニナ(海にいる巻貝)という名前が残っています。

今回は、この 「にいな」 の仲間である、ホソウミニナを 紹介します。

20170911 ホソウミニナ  20170921材木橋モニタリング (10)砂入れ後2年でホソウミニナが戻る*********兵庫運河のホソウミニナ*******こんなふうに、たくさん棲息しています。

◎ この貝の種の同定(名前を確認すること)にあたり、写真を西宮貝類館に送りました。その際、貝類館の 専門家がビックリして「ホソウミニナだ。!阪神間においてホソウミニナが残っているのは、兵庫運河だけ だと思う。」というのです。*****ビックリしました。

◎ ホソウミニナは、軟体動物門腹足鋼ウミニナ科に属し、主に、河口干潟の砂泥地に群生して住む貝です*  なぜ、阪神間では絶滅し、兵庫運河だけに残っているのか?不思議な話だと思いませんか?

◎ 理由の一つは、阪神間では、河口干潟がことごとく消えてしまったことです。************昔は、河口には干潟が広がり、アサリやハマグリやウミニナ等がたくさん住んでいたはずです。***** しかし、現在では、川はコンクリート三面張りとなり、山から砂の流入は少なくなってしまったこと、又、や* っとできた河口干潟も、船の安全航行や洪水防止のため、毎年浚渫工事が行われ、干潟が消えてしま ったのです。

◎ 二つ目の理由は、ホソウミニナの特殊な繁殖方法にあります。ああああああああああああああああああ アサリ等の貝類は、ふつう受精卵からしばらく浮遊生活(プランクトン生活)をします。ああああああああああ言い換えれば、プラ ンクトン時代に、海を漂いながら広がっていけるのですが、このホソウミニナは、受精卵から直接、貝の形になって生まれるのです。ああああああああああああああああああああああああああ難しい言葉では、「直達発生」 と言います。 海を漂う期間がないので、一旦、絶滅してしまうと、なかなか戻ってこないのです。

◎ 兵庫運河は、昭和の時代は、ヘドロとメタンガスの海で、生きものの姿はほとんど見られませんでした。 そのヘドロとメタンガスの海で、ホソウミニナは細々と生き残ってきたと思われます。又、あまりにも汚いああ海だったので、人間がほとんど入らなかったことも生き残った理由かもしれません。

現在の兵庫運河は、透き通る綺麗な水になり、色んな生物が帰ってきてます。

兵庫漁業協同組合は、地元の小学校、兵庫運河を美しくする会(多数の企業)、兵庫運河の真珠貝プロジェクト、NPOと共に、兵庫運河を神戸で一番の里海にしたいと、思っています。ホソウミニナ兵庫運河で末永く生き残ってほしいと、願っています。

******************************博士安井でした。

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